『読了』昆虫はすごい 攻めすぎてる生存戦略に驚愕
本当にすごかった。
けっこう話題になった本なのかな。出張ついでに一気読み。
昆虫たちのその信じられない進化と、関係の複雑さと多様さ!片っ端から既成概念こわされまくりでしびれます。
とくにびっくりした話はキンウワバトビコバチ。発生がとんでもない。
生き物はたいてい、卵のときに卵割して、多細胞の1個体になるところ、こいつは卵割を通して2000ものクローンが作られる。昆虫ほどの複雑な生き物がこんな大量のクローンに分化することにまず驚き。
なおかつ、クローン個体の何割かは、幼虫段階での敵の排除に特化していて、仲間を守って成虫にならずに死んでいくそうな。
あたしは生き物の子どもはすべて、大人になる途中のものと思っていた。成長しない前提でつくられている存在に驚愕。そんなん生命としてアリなのか。あまりにドライすぎる…!
つくづく、人間の常識、さらには倫理なんていうものも、絶対的なんてことは全くなくて、自然界はおどろくほど大胆に、なんでもアリな生存戦略をみんなが競い合っているものだなぁ。
そして奇跡的なバランスで拮抗しあっていて、今見えているのは、その瞬間の断面にすぎないこと。あらゆる生き物がそれぞれの時間軸で、多層的に、すごい密度で、タテヨコナナメに複雑に影響を及ぼしあっている。人間もその一部に過ぎず、自覚しているよりももっと密に、周りの生命からの干渉をうけていること。ここ半年で急にそういう風に感じるようになってきたわ。
ちなみに、この本はもっと単純に、100度のおならをする虫とか(日本にいるらしい)おもしろい事例も盛りだくさんです。変な昆虫、または生命の不思議にご興味ある方ぜひ。