海はあちらですか

読んだ本のこと、仕事のこと、ふと思ったことを思うままに書いてみたいと思います。自分の記録と整理のために。

リクルートの人が語る人工知能について、事業構想大学のセミナーを受けてきた。

 

 事業構想大学のセミナーを受けました。

ちなみに、ここの出版している月刊事業構想は刺激的な事例が沢山でとてもおもしろいです。ご興味あればぜひ。

 

月刊事業構想 (2017年2月号『働き方改革の新事業』)

月刊事業構想 (2017年2月号『働き方改革の新事業』)

 

 

では早速、セミナーの感想を。

 

 

リクルート インスティチュートオブテクノロジー推進室長 石山さん

 
内容がすごく面白かった!内容のさわりと感想を。
 
まず、人工知能とは。 実は現時点では定義について未整理でかなり広義なものになってしまっているらしい。(良く聞き取れなかったが、文脈から察するに、)今回の人工知能という言葉の使われ方としては「ある種類のデータを放り込まれてそこから価値を取り出す仕組み」というくらいに感じた。その上で感想を。
 
まず面白かったのがデータの活用の意味について。ビジネスの場、特にITを活用した場面では成長戦略を立てる時にあらゆるデータを駆使するが、逆に考えて、データが取れさえしたら、現実のアナログ世界でも同じような成長戦略が立てられる可能性があるということ。IOTやコグニティブコンピューティング、ビッグデータ解析、そして機械学習。リアルにあるあらゆる情報をデータとして抽出し解析することでリアル世界もシミュレーション可能になる。アナログなことに対してそういう目線で見ることをしてきていないから、今更だけどなるほどなー!と思った。
 
それから今回の主題だが、そもそもデータ解析作業自体はすでに一般の人でも取り扱い可能になり始めているらしい。というのも一流のデータサイエンティストのノウハウを自動化した解析ツールが作られているから。リクルートではその社内インフラ導入を強烈に推し進めているとのことだった。多くの人がデータ解析を行い、多くの人工知能が作られればその多様性の中にすごい価値を持つものが出てくるだろうし、複数の組み合わせによってより多くのことが可能になるだろうと。
 
この、「量を作る」という認識は全く持っていなかったのでびっくりした。あたしはすっかり人工知能の検討というと「目的に対して必要なデータ解析を練り上げていく」イメージを持っていたけど、背景の流れを考えれば、そもそも量から意味を取り出すことが新しさなのであって、そういうことか!と目から鱗の落ちる思いがした。
 
もう一つがデータの価値について。これからの人工知能が普及していく世界においては、とにかく入手しづらくて意味の深いデータを持っている人が有利とのこと。これをひっくり返せば、今自分たちの持ってるデータって何で、価値を作り出すことのできるデータは無いか、そういう視点で今の仕事や身の回りを見直してみるといいのかも。例えばセミナー中ではうつ病の体調管理アプリに蓄積されたデータの価値の高さが説明されていたけど、そうやってイメージすると身近でもいくつか思いあたる。
 
なお、今後の人口知能に対するふるまいとして、作る人→使う人→使いもしない人、の序列ができると言われた。今回リクルートの取り組みを聞いてもはやその差はでき始めていると感じた。今、私やうちの会社がすぐに作る側に入る方向に舵を切ることは現実的じゃないと思う。けど「技術の活用により、どういう可能性があるのか」という大きなイメージや具体的な事例・利用シーンを多く知っていることは、いざ目の前に活用可能なテーマが見つかったときにすごく意味がありそうだと思った。
 
そしてリクルートの社内事業推進力の強さと進めるノウハウに何よりもびっくり。データ解析ツールの導入にあたってのリクルート内で実際とられたプロセスについて紹介されたが、何ならこれが一番衝撃をうけた。とにかく早い!まずやろうとしていることの目的と価値の認識がめちゃくちゃクリアになっていて、だから進めるためのプロセスを先回りして明確に設定している。そして確実に計画通りに運用して、具田的な成果を上げている。このプロセス管理?をあらゆる項目で実行しているとなると、価値創造のペースってうちの会社とは当然全然違うと思う。うちもちっちゃい会社だけど、理想もあるし目指してはいるけれど、ビジョンのクリアさとノウハウの確実さについては別世界。
 
こういう話を聞くと、時代が動いている様子の見え方って、先頭集団と後続集団と沿道の人では全く違うんだなぁと思う。けど、今回の話を通して、先頭集団の持っているビジョンの一端が見れただけでもあたしにとっては刺激的だった。まだまだ無力だけど、これからの時代を生きていくことは決まっているわけだから、興味をもって、かかわろうと思い続けたいし、できることならあとから巻き込まれるのではなくて、先に手を打って身を守るくらいはできたらいいなぁ。
 
最後に、人工知能に支配される世界、という像に対して石山さんの持つイメージは、人間がインプットして人工知能でアウトプットする世界だそう。何をインプットするか、そこで創造性を持つのは人間。うーん、話を聞いていると「インプットしたときに面白い、価値のある情報は何か」ということを理解すること自体が高い創造性を必要とする作業だし、深い理解を必要とするなぁ、レベル高い要望だなぁと思った。できない人は支配される側に回るのでしょうか・・・。こわっ。
 
まぁ今後も素人ながらに未来に興味をもって生きていきたい、と思った刺激的なセミナーでした。ちゃんちゃん。