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海はあちらですか

読んだ本のこと、仕事のこと、ふと思ったことを思うままに書いてみたいと思います。自分の記録と整理のために。

地下室の手記 読了

今、ざーっと読み終えたばかり。
とくに読み返しもせずに書く。

主人公の執拗なものの言い方に所々飽きるが、執拗さは必要なのだから仕方ないのか。

とにかく読んでいて苦しくなった。過剰な自意識にさいなまれつづける主人公がみじめで滑稽。でも、すごく自分とも重なる部分もあって、後半、だから苦しくなる。(もちろんここまでじゃないけど)

こういう人恋しさと人への恐怖の混乱とか、人の目に対するの過剰な意識とか、自己肯定できなくて爆発しちゃう感じとか、時代や国籍に関わらず共通なのかしら?

でも田んぼで作業して、美味しいもの食べてると、すごく肯定感が高まる感じするし、都会の人間の特性のような気がするなぁ。いつから人はこうなんだろう。

本題では無かったけど気に入った記述。「人類がこの地上において目指しているいっさいの目的もまた、目的達成のための不断のプロセス、言いかえれば、生そのもののなかに含まれているのであって、目的それ自体のなかには存在していないのかもしれない。」このあたりはナウシカ原作とすごく重なって感じた。崇高な所への到達が生き物の価値ではなく、どんなに愚かでも、生きているという営みそのものに価値?が有るというような。

「人間は到達を好むくせに、完全に行きついてしまうのは苦手なのだ。~これはおそろしく滑稽なことに相違ないが。要するに、人間は喜劇的にできている」歴史が良くも悪くも繰り返すことは喜劇と言えないけど、こういうことなのかも。

後半はもっと個人の内面の苦しさが主題。この辺は「人間失格」も再読したい気分。もともと人間失格の後書きにタイトルが出てきたから読んだのだけど。全体的には人間失格の方がずっと好きだった。ヒステリーにもならないような弱さとかわいさがある気がして。

けど、どっちにしても現代人に共通の不安なんだと思う。あたしはすごく共感。あと出てくる女の子の母性にもすごく共感。あたしの友達とかみんなは共感するのかな。全然しないのかな。ちょっと聞いてみたい。

地下室の手記 (新潮文庫)赤10I賭博者 (新潮文庫)

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