今年は稲がうまく育っていない。今年はそれもよし。
昨年からNPOから田んぼを借りてコメ作りをしている。
去年、何事も経験、と思って始めたものが思いのほか手もかからずおいしいお米になって、完全に味をしめたので、今年も継続しているかたちだ。
ところが、今年植えてみて、去年とのあまりの違いにびっくり。
植えたハナからタニシに食べられて、全然育っていかない。おもしろいのが、そのNPOでは6枚くらいある田んぼを5m×10m(半畝)に区画割してたくさんの人に分けているのだけど、その田んぼ、その区画によって状況の違うこと!
この区画による違いよ。
本当にさまざまな要因があるようだけど、聞いてなるほどと思っただけでも以下の通り。
・冬場水がうまくたまっていると(冬季湛水)草が生えづらい
・一方、ザリガニやタニシが増える
・浅くしすぎると草が増える
・植えるタイミングによって苗の草丈が変わるのでそれにあった水深である必要がある
・植えた直後は弱いので水深を浅くしてタニシが動けないようにするとよい
・一方、タニシは他の草を食べてくれるので共存できれば良い面もある
・ザリガニが畔に穴をあけて水が漏れる(一日に何か所も!)
・上記のことからの影響は植える日が1週間でも違うと影響の出方が違う
・水温によっても成長が変わる
などなど。
コイツが犯人
いやぁ、去年はうまくいたもんだから全く気にしなかったけど、改めていろんな要素がからんでいるのだと再確認。これから稲が一定程度育ってタニシにやられなくなるまでが心配だし、そのあとも台風、日照、気温、水量などなどいろんな要素が全部影響して結果が出るのでしょうな。
田んぼ行ってから次の週末まで、稲が気になってしまう。
台風の日に田んぼを見に行ってしまうおじいさんの気持ちが少しわかるよ。
とはいえ、ぶっちゃけあたしは経験のための趣味だけど、これが本職だと考えると、ものすごい仕事だよ。自然は複雑系すぎてPDCAとか言ってもどの要因がどれだけ影響しているのか、っていうこと自体がつかみづらいし、分かったところで手が打てないことも多いしこれを本業に長年生きたら腹が据わってしまいそう。
そして大昔から生きるために生産をしてきた人の中にアニミズム的なものが発生するのは本当に自然なことだと思う。現代人の私でも、雨乞いや晴れ乞いしたくなるもん。
しかし、うまくいかない方が気づくことが多いもんなんだな。去年と全然違う感覚で、でも去年よりも楽しい。引き続き成長が楽しみです。