海はあちらですか

読んだ本のこと、仕事のこと、ふと思ったことを思うままに書いてみたいと思います。自分の記録と整理のために。

生物と無生物のあいだ 読了

生物と無生物のあいだ、という本を読んだ。

高校のころ生物の授業が大好きだったのを思い出した。

 

この本のテーマは、生物と無生物を区別するものは何か、

生命とは何か、ということ。

 

一般的に、生物と無生物の違いは自己複製能力の有無で説明される。

本書においてもこれは大前提だが、

これに加え動的平衡状態を生物の本質として説明している。

 

生物の体は無数の分子からなるのだけれど、

その分子は、食事からとりこまれる分子と常に入れ替わり、循環し続けている。

破壊と再構築を繰り返し続けることで一定の平衡状態を維持している。

これが動的平衡

生物の実態は大きな流れの中の”淀み”でしかない。

私の体も、ただ他より密度の濃い流れの一部だと考えてみると不思議な感覚になる。

 

動的平衡状態にあるからこそ、生物は不足や過剰を柔軟に調整する。

”やわらかな適応力となめらかな復元力”を持つ。

遺伝子をノックアウトされたラットも別回路で機能を補てんし正常に成長する。

 

生物ってすごい!すごくよくできてる!

そしてなんか観念的な感想だけど、人間になんて全然見えない大きな流れや関係性が

網の目のように広がって関係しあって世界は動いているんだろうな。

 

著者は分子生物学の研究者。

本の中には昔授業に出てきた単語や人名が次々と出てきて、懐かしかった。

また昔、生物の仕組みの精密さや柔軟さに感動して、

生物の授業が楽しくて仕方なかったことを思い出した。

 

このブログもひとつのツールにして、

自分が好きだったもの、興味あるものを思い出して積み上げていきたい。

いろんなことに興味のわきづらい今の自分が少しずつ変わることを期待して。

 

次は同じ著者の「動的平衡」も読んでみよう。

あと、高校のころの図説を引っ張り出してこようかな・・・。

 

写真は多摩川上流のお茶屋さん。

陽気な石のうさぎ。無生物ですが楽しそうです。

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