海はあちらですか

読んだ本のこと、仕事のこと、ふと思ったことを思うままに書いてみたいと思います。自分の記録と整理のために。

失われていく、我々の内なる細菌

だいぶ以前に読んだけど、読みながらメモとってたデータが消えて、萎えてほったらかしてた本。すごいおもしろかったので簡単に紹介。

 

「失われていく、我々の内なる細菌」

 

失われてゆく、我々の内なる細菌

 

驚いたこと。

 

私たちの体には、自分自身の細胞数の3倍以上、重量にして1.4kgの細菌がすんでいる。

 

太古の昔から共進化を続け完全に相互依存的な関係になっている。(生命維持の必須機能も細菌任せにしているものがある

 

地球上の生命のほとんどは細菌(種数も質量も)

 

日本人の背が伸びてるのも細菌と関係あるかも?

 

などなど、まじか。

次々びっくり!

 

手にはたくさんの細菌が住んでるよー、とかよく言うけどそんなレベルじゃないよ!一方的に住まわせてるのではなくて、読むと、自分個人だと思っていたものが実は集合体だったんだと思えてくる笑。

 

著者はピロリ菌の研究者だけど、ピロリ菌は胃ガンの原因と言われるけど、食道ガンや喘息、アレルギーには抑制的に働くなど、ようやく研究が始まったところ。安直な除去は少し見送った方がいいかも?なんせ、複雑すぎる共生関係はほとんど未解明。

 

そんな中、抗生物質の安易な使用が細菌生態系に大きな影響を与えているらしい。しかし存在を知らないものが絶滅しても誰も気づかないよね。結果は、いざなってみないと分からない。

 

とにかく、人間がいかに知らないことが多いかを再確認。この密度の濃い複雑な共存と進化!神様すごすぎるわ。

 

まぁちょっとまだるっこしい文章だけど、内容はオススメです。

  

洗濯機の回転軸と日常の風景

洗濯機が少しだけ改善 したことついてのご報告。
 
先日書いたけど、洗濯機が壊れそうなことを、元大工の友達に笑い話として話したら、すかさず「水平を見たほうがいいんじゃない?」と言われた。どういうこっちゃと思ったが、なるほど。回転軸がずれているからうまく動作しないのではと。なるほどー!!!全く思いつかなかったわ。暴れすぎウケる、とか言っている場合ではなかったわ。
 
早速夜中に、調整してみることに。友達に「コップに水持ってきて」と言われ持っていく。洗濯機のフタは平な面が無く、目分量だけど、水面の水平を基準に少し調整してみる。言われてみれば当然だけど、コップの水も言われなきゃ水平の見方10分くらい悩んでいたかもしれない。いや、適当に雰囲気でやっていたかも。大工だからか、ただ賢いのか、生活の知恵がすごい。そして洗濯機には水平な面を設計すべきだ。メーカーの人、ぜひ。
 
ちなみに知らなかったが、洗濯機の脚はねじ式になっていて高さを微調整できるとのこと。
そして翌日、洗濯を実施。これまで1時間半かかっていたのが1時間に!微妙に改善した笑!
 
なお、正式な洗い上がり時間は37分。果たしてこの23分の差はもっと精度の高い調整によって解決されるのだろうか。分からない。けどもう一度、ちゃんと水平器を用意してやってみよう。
 
しかし、改めて、知ってるということはすごいことだ。あやうく速攻で洗濯機を買い替えるところだった。助かった。生きる知恵大切。大工天才。
 
そして関係ないけどこんな生活の端っこに、急に物理の話が出てきて一瞬激しい違和感を感じた。しかし考えてみれば身の回りは過去からの人類の英知の積み重ねである発明品に満ちているわけで、目の前の機械や道具を完成したモノとしてみたら思考停止するけど、その仕組に思いをはせてみさえすれば突然違った見え方がしてくるということだ。もう洗濯機は四角くて洗濯するための完成したモノとしか思ってなかった。日常の中でモノの見方、少し意識してみよう。なんせかっこいいから。
 
みなさんも洗濯機の水平はたまにチェックするといいかも。振動で少しずつずれたりするだろうし。軸が正しい状態で使った方が機械の寿命も延びるのではないかしら。知らんけどたぶん。そしてまぁ「水にぬれて重い布を詰め込んで、すごい勢いで回転させる機械」ってどう考えてもすごい負荷かかるよね。洗濯機えらい。いつもありがとう。
 
なお、依然として冷蔵庫の不調問題は残るわけだから、友達に電気屋を探してみようか。いないけど。いや、原因わかっても寿命ってものもあるからな。さすがに無理か。
 
生活の知恵、見習いたいと思った一件でした。
おしまい。

仕事がとれなかった。悔しい。

仕事が取れなかった。
 
1年間、最重要案件として追いかけてきた。
入札の当日、直前に価格下げるということが一瞬話題に上った。なのに結局、持参したそのままの金額で応札して負けた。僅差だった。出せない額じゃなかった。
 
後輩にも初めての案件をここまで頑張ってきて、是非とらせてあげたかったし、私はこれを取るために関わっていたにも関わらず。結果が出なければこの件に関する私の存在価値は無い。悔しくてしょうがない。
 
結局、最終局面で執着が足りなかったのだと思う。最後の瞬間の集中力が足りなかった。目の前に選択の機会があったのにそれをものにできなかった。すべては今にして思えば、という後悔。完全な力不足だ。
 
もう二度とこんな負け方はしたくない。今日から、私自身の役割も真剣に考えなさなくちゃいけない。この機会を無駄にしてはいけない。
 
既存の仕事に胡坐をかいていてはいけない。新しいことに本気で挑戦して、そのために本気で考えないと。自分のできることだけでなんとかやろうとしてはだめだ。
 
ここ最近ずっと苦しかった。あきらかに壁にぶつかっていて、求められる役割に比べてできていないことが多かった。その中で、何とかこの案件だけは、と思っていた。これで完全に退路が断たれた感覚だ。前に進めないならせめて営業支援と思っていた、そのことで成果を出せなかった。既存の能力でごまかせることはこれで何もなくなった。
 
出来ないことに向き合って、なんとか乗り越えないと。なんかの番組の事前予告で、芸人の奥さんが「脳みそから血が出るほど考えたか?」と詰め寄るシーンを以前に見た。そのとおりだと思う。あたしは考えたか?考えているか?本当に精一杯か?
 
世の中、あらゆる人が考えて考えて仕事をしている。私も自分自身としてその中で考えて挑戦しないと。ただ、苦しく苦しく追い込むことは無いと思っている。真剣に、必死で、でも前向きに、本当に価値のあることを考えたい。変わりたい。この機会を本当に生かして、自分を変えたいと思う。
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もう洗濯機と冷蔵庫が壊れてしまいそうだ

どうでもいい話。

 

最近、洗濯機と冷蔵庫がどっちも壊れそうだ。

 

洗濯機は、本来ならば37分で終わるはずのコースなのに、なぜかランダムに1時間半から2時間程度かかる。いったいその間、何をしているのか。

 

なおかつ脱水にあたってのアクションが激しく、音も常軌を逸している。決して夜には回せない。先日はものすごい音で動いていたのが、ことさら激しいガコンという音の直後に急に静かになったと思ったら、コンセントが抜けていた。15センチも移動して。どの部分がこわれたらこんなに激しくなるのだろうか。洗濯機の機構がわからない。

 

やはり屋外に置いているのが悪いのだろう。ボタン周辺のラベルなども浮いてきてはがれており、いかにもダメそうな雰囲気だ。しかし、洗濯機置場がベランダの家もまだまだ多いこのご時世、たった二年半でだめになるというのはどうしたことか。安アパートで室外洗濯機置場で安い洗濯機買ってすぐに壊れたのでは、いかにも安物買いの銭失いのようで嫌だと思う。

 

とはいえ、二時間くらいかければ洗濯はしてくれる。なおかつなぜか我が家は水道メーターが全戸共同でひとり暮らしの私は人の分まで払っているような状況では、特に買い替えを急ぐこともなかったが、しかしいよいよかな。週末は洗濯機とカバーを探してみよう。

 

そのうえで、ここにきて冷蔵庫までやばくなってきた。昨日はキャベツとお揚げが激しく凍っていた。まんべんなくではなく、端から凍っている。下なのか上なのか、奥なのか、どの辺が一番悪いのか、毎回凍り方が違うような気がして、どのような配慮が適切か、いまだ見極められない。野菜は凍るとダメになる。これは早急に解決したいことだ。こちらはリサイクルショップで購入して10年働いたから、よく頑張った方だ。やはり家の中で使うに限る。

 

このように、生活に基本的なインフラにガタがくるとその出費はなぜか悔しい。なんなら、こんなしょっぱいくだらない記事書いてないで、さっさと誰かと結婚したいくらいなのに、このタイミングで立派なものに買い替えるのも気が乗らない。

 

あぁ、あほらしくなってきた。

ボーナス出たらiphone買おう、奮発して7かな?遠慮してSEですましちゃうかな?炊飯器もおいしく炊けるやつにしなきゃ!あわよくば夏用のスーツも買い替えたい。なんて思っていたけど、違うわな。まずは洗濯機と冷蔵庫だったわ。そうだったわー。

 

とりあえず、寝よっと。

あすぺる樹 長野県 中野松川駅

出張でごはんを食べた。おいしかったので書く。

[食べログ]アクセスが制限されています

あれ、なんかリンクタイトルが変になっちゃうけど。

あすぺる樹。なんて読むかよくわかんないけど良いお店でした。当日は車で徘徊しながら食べ物やを探す。行こうとした蕎麦屋は休みで、ちゃんとしたごはん食べたいと思って調べたらここが出てきたので。

メニューはこんな感じ。

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まぁ安くはない。

一番上に書かれてる角煮を選択。

立派な定食が出てきた。

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メインの角煮。

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すっごく柔らかいし、脂も落ちていてぺろりと食べた。なんだろうなんかわかんないけどさっぱり系の味のお酒で煮られているんだか、おいしかった。

 

そして全体的に料理の仕上がりがきれい。

味は変なもの使わなきゃまぁまずくはならないけど、こうやって歯ごたえをちょうどよく仕上げる、とか見た目をキレイに仕上げるとか、料理がうまいってこういうことだよね!という丁寧でちゃんとしたお料理でした。

 

こういう普通のメニューをきれいにおいしく仕上げるような料理上手になりたい。訓練しなきゃ。

 

まぁ、しいて言えばあたしには全体的にちょっと味が濃い目。ご飯をおかわりしていただきました。

近く寄った方はぜひ行ってみて~

役所の庁舎が好きだ。ただ思うことを好き勝手書く。

仕事で役所まわりの営業をしている。

そういえばあたしは役所の庁舎が好きだ。

特に好みは古い庁舎。これまで写真とかちゃんと残してなかったんだけど、古い庁舎はその時の技術とデザインをこらして、威厳と文化の気配ただよう建物が多い。そして材質としてタイルを活用している建物が多く、おそらく特注タイルも多いのではないか。これがなかなか味わい深い。

 

格安スマホにしてからあまりに写真がキレイじゃないからとってなかったけど、今回はいくつかとってみた。てか携帯かえようかな。

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これは佐久市の階段室。床のタイルがかわいい。1階の文字はシルバーで年季が入ってまろい光沢が良い味を出していた。ちょっとデザインしてあるのが手すりのところに縦に装飾されているステンレス?の棒。これは上層階までつづいていてわりとシンプルな階段室のアクセントになっている。まぁ好みかってとそうでもないけど、もうひとつなんかしよう、っていう感じは嫌いじゃない。

 

ちなみに佐久市はエレベーター前の階数表示がわりとパンチあって好きだった。

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これです。

役所ですよ。どうなんだろうか、以前役所を建てるときには「文化的施設」という自己認識だったんだろうか。わりと美術品があったりデザインに個性が強い建物が多い。まぁこれは中でも攻め気味だと思うけど。

 

けど、ここまでビビットじゃなくてもロビーに大きなレリーフがある役所はすごく多い。佐久市も例にもれずレリーフが。

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なにかこういう美術品とか文化的な要素というのをガツンと配置した役所がすごく多い。なんか役所っぽすぎてみんなスルーしてるけど、このサイズのレリーフあらためて見るとなかなかインパクトあるよ。そしてデザインの統一感がないことも役所建築の魅力。さっきのエレベーターホールと共通のコンセプトがあるとはとても思えない。混沌として盛り込みすぎでノスタルジック。そしてスルーされている。すてき。

 

ちなみに役所デザインの中でも一番好きなのは階段室。

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これは中野市の階段室。手すりは木で良い感じに年季が入っている。壁は大理石?とタイルで手の込んだつくり。天井が曲線になっているのも個性。

 

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これは上田市の階段室。

青い床がきれい。手すりは写真に写っているのは紺に黄色のライン。なぜか1階から2階の間の手すりはラインなしの黄緑一色。そういう、何でそうなった的要素も含めかわいく感じてしまう。

上田市は外観もなかなかイカツくて悪くない。無骨はコンクリ打ちっぱなしの格子と事務的デザインのタイルの組み合わせ。威厳があってなかなかいい感じ。できた当初は打ちっ放しのコンクリの大きな格子はなかなかイケてたのではないか。

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ちなみに今回古めの庁舎をピックアップしたけど、今どんどんと古い庁舎は取り壊され新しくなっていっている。耐震のこともあるんだと思うけどさみしいもんだ。

 

新しい庁舎もまぁおもしろいんだけど、過去のものと比べてコンセプトの変化が大きくて、マジでびっくりする。総じて新しい庁舎は美術品系の装飾は徹底的に抑え気味で、広い空間、白い壁、ってのがルール。たぶん、主役は住民です、建物は人が行き来しコミュニケーションをとる場、器にすぎないんです、みたいなプレゼンがされたのだろうと思われる空間。

 

ちなみにデザインの方向性は大きく分けると二種類あって、クールな無機質系か、あたたかみのある木質系。ひろい空間と白い壁にどっちかの要素で他の機能が加えられている感じ。有名な建築家がやったものも大くくりにはこのどちらかの感じがする。

 

そして残念なのはサインシステムが、だいたい同じようなデザインになっていて、ユニバーサルデザインとかの観点では良いのかもしれないけど、とにかく面白くない。どこのメーカーなんだろう。

 

しかし、ここまで書いてみて、役所庁舎のデザインということだけど、背景にある役所の自己認識・役所に求められる態度というのが世の中的に変わったのだろうな。あとは世の中全体の価値観も。

 

まぁそんな考察は無視して、今後は役所の写真を撮りためるつもりです。なんなら完全主観の自治体役所庁舎データベース的なことになっていったらおもしろいな。

 

とりあえず、携帯iphoneにしようかな。

以上。

【読了】裏山の奇人 野にたゆたう博物学

これはすごく面白かった!
こないだもフライングで書いたけど、あらためて感想を。
 
これを読んで一番強く驚いたのは、「生き物の密度ってすごい」ってこと。もう隙間無く、ありとあらゆる関係を結んでぎっしり詰まっているイメージ。何気ない風景をそんな風に見たことこれまでなかった。
 
著者は好蟻性生物の研究者。読むまでは好蟻性生物って存在をそもそも知らなかった。まずひとくちに蟻と言っても、その種類はすごく多くてすごく多様。その蟻に対して、本当にありとあらゆる種類の昆虫、クモ、鳥、植物などなどが強い関係を持って生きている。お互いに利用しあったり、一方的に奪ったり様々だけど、その関係を最大限活用するために自分を変えて進化してきた生き物たち。その専門性と多様性にまずびっくり。
 
そしてそんな生き物同士が密接に関わり合って、日本のふとしした日常の足元や裏山でもものすごい複雑なやりとりを繰り広げていること!いやぁ、知らなかった!
 
むかし、あるNPOの活動に参加する機会があって言われて印象的だったこと。ビオトープに関する話だったんだけど、生き物の居場所が無いから作ってあげる、という目線で見るのはもったいない。驚くべきことは、ちょっとでも活用できる環境があれば、すかさず生き物が訪れることのすごさ。そのしたたかさと柔軟さ。それがすごいと思わないか、と。その時は本当にそうだ!って目からウロコだったけど、今回本を読んであらためて思った。生き物はそれくらい強くて、充満しているんだ。
 
ちなみにこの本でも書かれていたけど、既存の生態系が充実していて、生き物が充満していれば外来種は入らないとのこと。入る隙間がないから。隙間を作ってしまったことが問題を具体化させてしまったようだ。なるほど。
 
話は戻るけど、風景を見たときに持っていた密度の認識が間違っていたんだと知った。見えないものは無いように思っていたら全くちがった。自分が見てないだけでそこにはぎっしりと生き物同士のやり取りがある。さらにこれを細菌まで広げると世界に隙間は全く無いのかも。風景の認識ががらっと変わるよ。
 
あと時間の長さ。あんなに複雑な共生関係のための進化には長い時間がかかる。あらためて自然の時間軸の長さを感じる。なおかつ、その中でハイペースに繰り返される世代交代。変わらず永続しているように見えて、常に壊したハナから作って、死んで生まれて、進化して、を絶え間なく繰り返している。一瞬も止まらない。自然界に対してもっとそういう流動的な大きなイメージを持つのが正しいのかも。
 
もうひとつ、ついでに思ったのは、今都会では人間が優先種だけど、常に競争にさらされているんだなぁ、ということ。人口が減って人が老いたら他の生き物が押し寄せてくる。そうやってうねっているのものなんだ。持続可能って言われるけど、持続性が高いことと永続的なことはまた別で、この世界に可逆的なものや永続的なものはない。時間軸は一方向にしか進まないし常に世界は変わり続けている。
 
なんか大げさだけど、ふとそんな視点を得た本でした。あと、著者がめっぽういいヤツで、普通に文章おもしろいし、彼の自然に対する姿勢、学問に対する姿勢もとてもステキだ。ぜひ話の続きを聞いてみたい。
 
こういう学問がちゃんと評価され、大切にされるといいなぁ。子供ごころを思い出した最近のターニングポイント的な本でした。自分のわくわくする気持ちをもっと大切にしよっと。